医学部受験の女性差別の実態
2018年7月、当時の文部科学省科学技術・学術政策局長が受託収賄罪で、東京医科大学の前理事長と前学長が贈賄罪で、それぞれ逮捕・起訴されるという事件がありました。
たける
東京医科大の不正入試問題を発端に、入学試験の不正に関する内部調査が行われた結果、女子受験生と3浪以上の男子受験生に対して、一律での減点措置を行っていたことが明らかになりました。
さらに、性別や浪人年数によって取り扱いに差をつけたり、特定の受験生を優先的に合格させていると見受けられる事例が判明するなど、文部科学省は10大学の医学部入試を「不適切」と指摘する事態となったのです。
東京医科大学が、女子受験生の一律減点を行い、入学者に占める女性比率を約3割に抑えていたという報告内容は、各方面に大きな衝撃を与えるものでした。
「小論文や面接試験が行われる2次試験においては、大学にとって都合が良い、若い男子受験生を優遇する大学が一部あるらしい」という話は聞いたことがありましたが、まさか1次試験から点数操作がされていたなんて、正直とてもショックです。
たける
医学部受験で女性差別されないためには
医学部受験で不当な女子差別が行われないように、受験生側がコントロールすることはできませんが、公開されているデータを細かくチェックすることは可能です。
例えば、医学部入学者の男女比と現役浪人の比率はある程度参考になるでしょう。女子の合格者数が極端に少ない大学は、それだけで疑うことはできませんが、女子に厳しい受験内容にしている可能性はあります。
たける
以前より、一般的に女子が苦手とされる数学や物理を難問化することによって、合法的に女子の合格者を少なくしている大学があるらしいという噂はありました。
医学部不正入試問題の発覚後は、これまで以上に巧妙に見えづらい形で、堂々と差別が行われる可能性が考えられます。
なので、過去問題をチェックして、数学と物理の難易度が高い大学を避けるのは、女子が不当に差別されないためにできる一つの方法ですね。
医学部入試における女性差別対策弁護団とは
画像引用元:https://fairexam.net/
女性差別対策弁護団とは、医学部の入試において性別による得点操作が行われ、女性だからという理由で不利益な扱いを受けた受験生を救済することと、再発防止を目指して結成された弁護団です。
弁護団の各メンバーは、別々の法律事務所に所属する弁護士で構成されています。
弁護団の具体的な活動内容は、意見書の作成や国内外の男女平等に関する情報の発信、イベント・シンポジウムの開催、様々な勉強会の実施などです。FacebookやTwitterでも弁護団の活動報告を見ることができます。
また、ホームページには受験生向けの問い合わせフォームがあります。過去に入試において女性が不利に扱われたことが疑われる医大・大学医学部を受験した女子受験生とその保護者からの相談を受け付けてもらえますよ。
まとめ
今回は、医学部受験における女性差別の実態について解説しました。
- 2018年、東京医科大の不正入試問題を発端に、医学部受験の女性差別の実態が明らかになった
- 医学部受験で女性差別されないためにできることは、受験内容が厳しくない、寛容な大学を選ぶのが、一つの方法
- 医学部入試における女性差別対策弁護団は、過去に不利に扱われた疑いのある受験生と保護者からの相談を受け付けている
不当な点数操作がされることのない、公正な採点が行われ、性別に関係なく医師への道が拓かれることを、心から願っています。