医者にならない割合
医師になるためには、医師国家試験に合格して医師免許を取得する必要がありますが、国家試験の合格率は約90%です。毎年、およそ1割の人は不合格になっています。
たける
2018年のデータを見ると、約3%の人は医学部に合格はしたものの、医師国家試験を受験していません。
この数字を多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれだと思いますが、国家試験に合格できないから医師になれないのではなく自らの意思で国家試験を受けない、つまり医師にならないと選択している人もいるのです。
医学部の医学以外の進路先
それでは、医学部に入学した人が医者になる以外に、どのような進路を選択しているのでしょうか。代表的な分野をいくつか挙げていきますね。
・「医工学」
病気やけがで、手足を切断せざるを得なくなった人が使う、「義肢」など医療工具を作るものづくりの分野です。
・「医学情報学」
電子カルテをはじめとした情報化を進めていくためには、必要不可欠な分野です。医療のAI化にも求められるでしょう。
・「医官」
医官とは、医療の専門知識を持った官僚で、医学部出身者が多いです。
・海外での公衆衛生
公衆衛生学、微生物学といった分野において、国内にとどまらず世界で活躍する人もいます。感染症対策の面でも、今後ますます注目が高まるでしょう。
このように、医療の専門知識を持っている強みを活かして、医師ではないものの医療と接点の多い職業も、医学部出身者の進路としてよく知られているものです。
そして、数は多くありませんが、医師免許を取得したうえで、新聞社やテレビ局など一般の民間企業に就職する人もいます。
医者になる進路を高校生から決める必要はない
医学部出身者であれば、卒業後の進路は医師になる以外にもたくさんの選択肢があります。
高校生のうちから、大学卒業後の進路を決めてしまう必要はありません。いろいろと学びを深めていく中で、考えが変わっていくこともあるでしょう。自分が本当に就きたい職業、目指したい道を選べば良いのです。
それでも、国家試験を受けて医師免許だけは取得しておくことをおすすめします。
僕が通っていた医学部予備校(メディカルフォレスト札幌校)の先生もよく話されていたことですが、持っているのといないのとでは、選択肢が大きく変わってきます。
医師として活躍するフィールドは医療機関だけではなく、例えば大企業で産業医として勤務する人もいますし、医師免許と弁護士資格を両方持って医療裁判に強い弁護士として活躍している人もいますよ。
まとめ
今回は、医学部卒業後の進路について解説してきました。
- 医学部に入っても、医者にならない人も珍しくない
- 医者になる以外にも、進路の選択肢はたくさんある
- 高校生のうちから、医者になる進路を決める必要はない
医学部受験をするかどうか迷っているなら、医学部を目指してみてはいかがでしょうか。将来の選択肢は、きっと広がるはずです。